
美容室のキャリアが進むと、独立したい思いが強くなってきます。
そんなタイミングで
「一緒に独立しない?」
「出資するから任せたい!」
など共同経営の話があったりすると、資金力がないうちは
ついついチャンスだと思い、そのよううな話に乗ってしまうこともちらほら。
はたまた、トレンドなのか10坪以下やマンションの一室で経営している
『1人経営のサロン』や『小規模美容室』も多くなってきています。
『共同経営の美容室』も『1人経営の美容室』も様々なメリット、デメリットが存在します。
共同経営が順調なところもあれば、逆にすぐに分裂・閉店の話も耳にしますし
1人経営でのびのびやっている人もいれば、1人経営のリスクを知らずに運営して失敗した話も
よく聞きます。
そこで、今回は『共同経営の美容室』も『1人経営の美容室』を考えている方や、やっている方に
それぞれの店舗経営のメリットやリスクを考えまとめてみました。
参考にしてみてください。
この記事の目次
1人で美容室経営のメリット・デメリット
1人で経営していれば、大人数を抱えるより
リスクは少ないと思っている美容師や経営者の方は多いと思います。
まずメリット・デメリットを紹介していきますね。
- 自分の思い通りに営業できる
- 人件費が自分だけ
- ストレスフリー
- コンセプトが統一できる
- 初期の運転資金が抑えられる
- 生産性に限界ある
- 自分が休んだら終わり
- この生活を基本的には一生続けていかなければならない
こんな感じでしょうか?
確かにいいこともある感じが一見しますが、
個人的にはリスク以上のメリットはないように感じます。
結局は美容室開店はゴールではなくはじまりです。
楽なだけでは長く続きはしないでしょうし、経営は理想だけではできないからです。
長い目で考えると1人経営は楽なんて事は全くありません。
その理由を伝えていきます。
1人経営は小額でできるが、非効率である
よく、美容室の1人経営・独立は
「小額で開業できる」
という話があります。
この発想がそもそもアウトです!確かに、小額ではできるでしょう。
しかし、単に動くお金の大きさが違うだけで資金が少額といっても目先の話だけです。
キャッシュフローとは、
資金の大小ではなく割合とお金の動きが重要です。
借入や開業費用が少額=楽
なんて事は一切ありません。
経営者1人の売上は1人分の売上です。
しかし、、もう1人増えれば2人分ではなく、2.5人分にもなります。
生産性の違いですね。
余裕ができたら・・・なんて事を思っていても非効率ですし、都合良く人材は集まりません。
美容師は、基本肉体労働であり、対人商売のため、仕事量に限界があります。
体力と精神力は何年保てるのか?
さらに1人経営のリスクは
体力と精神力
の問題です。
開業・独立したてで若いうちは、
モチベーションでなんとかなるかもしれません。
しかし、徐々に体力と精神はすり減っていくはずです。
勤めている時はお客様との時間にしか力を注いでいなかったのに、
「集客」や「財務」・「責任」・「リスク」は会社が担当してました。
それが全部自分に伸し掛かってきます。
集客が上手くいかない事や、体調を崩してお店に立てないとき1人だとどうする事もできません。
共同経営のメリット・デメリット
共同経営には、2つ経営の仕方があります。
『美容室同士の共同経営』と『出資型の共同経営』です。
それぞれ共同経営をする理由は、いくつかあります。
- 1人では不安
- 同じ立場が複数の方が強い
- リスクを分散
- スタッフが欲しい
- 美容室の知識がない
- 美容師のコミュニティーがない
- 新事業を立ち上げたい
- 税金対策
- 美容師に投資目的
このような理由で共同経営の流れになることがしばしば。
主なメリットやデメリットは
- 自分1人では足りない経営スキル、業務スキルなどを補える
- 出資資金の軽減
- 協力し合えるパートナーを得ることができる
- 経営責任のリスクを分担出来る
- 経営者の孤独感を和らげることができる
- 独断では決定することが出来ない
- 貢献度に見合う報酬比率のバランスをとるのが難しい
- 共同経営解消の際にさまざまな問題やのリスクが発生しやすい
- 常に相手のことに気にしなければならない
大きくわけると資金面や経営面でのリスクが分散出来る点がメリットで、
関係が壊れた時のリスクがある点がデメリットでしょうか。
独立を目標にしているなら共同経営やるのもありかと。
しかし、始めるのは簡単ですが、上手くいかなかった時のことも考える必要があります。
自身の共同経営失敗例
僕も共同経営は考えていた時がありました。
結局、経営はしませんでしたが。
僕を含め3人で共同経営する方向でした。
みんな年上で、技術も上。
僕の価値といえば「資金」と「財務知識」くらいでした。
みんなやる気はありましたが
- 資金面の責任の違い
- 資金の負担の差
- 財務などの仕事の割り当て
- 美容室のコンセプト
- 美容室の回し方
などなど話を少し進めただけで問題が山積み…
全く話がまとまらず、結局共同経営の話は流れました。
最終的には、お互いの仲がギクシャクしてしまいましたし
共同経営しなかったことに後悔は全くありませんでしたが
お互いの理解を深めるために話し合いはすごく重要です。
お互いに、同じ目標や視点を持つことが
共同経営にはとても重要です。
美容師同士の場合、どうしても仕事量に差が出たりします。
でも同じ給料だったり、なかなか売上が上がらず
モチベーションが下がる場合もあります。
しかし、共同とはいえ経営者なんです。
責任を抱えることを嫌がってはいけません。
また、よくある話として
- 会社の資金の使い方
- 役員の給料分配
- 下のスタッフの派閥
- 店のやり方のズレ
このようなことから、徐々に歯車が狂い始めます。
狂わないように、共同経営を始める前に話し合いと契約が必要です。
仲がいいや信頼してるからといっても、長く同じ場所にいれば、
違う考えも湧いてきます。
ですので、共同経営をやるなら
お互いに書面を交わすことをBinervaはオススメします
出資型共同経営の場合は、
出資側が、口を出すことも多々あります。
美容師ではないので、無茶を言うこともザラにあります。
出資側からのプレッシャーを受け止めないといけません!
計画性を持った独立を・・・
当社も美容室を開業して5年になりますが、
現在では複数店舗を持っています。
そのせいか「独立したい」という話の相談をされる事も最近では多いです。
相談されたら、真剣にお答えはしていますが
と思う事も結構あります。
よく、伝える内容は、
- 1人で経営も共同経営も長い目で見て、自分に合っているか考える
- 自分の力量を超えてはいけない
- 自己発信をするべき
- 成功している人だけを見ない
主にこの内容を強く伝えています。
独立するなら、計画性をもってやるべきです。
独立する前によーく考えて『独立しよう』
美容室は乱立しすぎて市場は飽和しています。
この状態から、後発組の独立はそもそもリスクが多すぎます。
1人でやるのも、共同でやるのも
リスクの上にリスクを足したようなものです。
「金の切れ目が縁の切れ目」ということがないよいにように
色々な事を十分理解した上で、
自分に何が必要で、この先どうしていきたいのかというものを明確にし、
独立を考えて欲しいと思います。