
業界大手のQBの値上げのニュースで話題です。
来年2月に値上げをしますが、単純な値上げではないと思っています。
QBハウスは、1000円という低単価がウリで、
ある意味美容業界で1位のシェアを持っているブランドです。
しかし、今回注目する所は、
1000円カット=QBハウスが定着しているブランディングは
マイナスの差別化からなる戦略です。
この記事の目次
QBハウスは【マイナスの差別化】でブランディング力UP
「戦略においては、何を提供するという選択と何を提供しないかという選択が重要」
とBinervaではいつも考えています。
このようなサービス業でのビジネスモデルは
「マイナスの差別化」と言います。
サービスの中から、必要なものだけにあえて絞ることです。
しかし、当たり前のようなカットと一緒のシャンプーをしない事で、
大手が真似できないビジネスモデルがシェアNO.1の始まり
1000円カットのペルソナを絞り、顧客が望むものだけを提供する事は
既存の大手企業がマネできないようなビジネスモデルの仕組みです。
マイナスの差別化が興味深いのは、
先陣の美容室や理容室はやりたくてもできません。
単に同じことをやろうとすると、
経営資金やリピーターがいる分かえって足かせになり、
非効率な運用になってしまうからです。
顧客から見える所は「差別化」、見えないところを「効率化」
顧客から見える部分はシャンプーやシェービングがないのと、
10分で終わるスピードなどの【差別化】をはかり、
見えない部分の会計を機械で行なう事で【効率化】をする事が素晴らしいと思っています。
先ほどのマイナスの差別化と通じるものがあり、
「誰に何を提供するのか?」「何をやらないか?」
に一貫性があります。
顧客ロイヤルティが高い顧客は価格を気にしない
SNSの反応を見てみると…。
「まぁ、仕方ないよね」
「値上げしても行きます」
という意見が意外と多い中…
「競合店にお客さんが流れるのでは?」
という意見もあります。
BinervaのスタッフもQBハウスではありませんが、
1000円カットでの勤務経験があるスタッフがいます。
顧客の来店の目的理由は、
「安さ」ではなく、「速いから」が多いようです。
普通のカットだと、30分〜1時間、待たされたりして1時間。
QBハウスなら隙間時間でカットできます。
そして価格の割にサービスレベルも高く、衛生面でも配慮しています。
実際に、QBハウスに来た人の満足度は高いのが現状です。
つまり、顧客ロイヤルティが高いお客さんは、価格を気にしなくなります。
QBハウスの値上げの目的は目先の売上ではない
2018年6月期 決算説明会で、値上げした理由を次のように述べています。
・スタイリストの労働環境改善・待遇改善
単に「利益率」のではなく、
「人材と雇用環境・店舗投資を強化」という値上げの目的も明確です。
他社にお客が流れる可能性?
確かに少しは流出する可能性はありますが、
【1】多店舗の優位性によるコストが下がる
【2】仕事の経験量が多いほどコストが下がる
というの観点で考えると、理美容業界では最高のコストシップを持っています。
その他の店舗が、
QBハウスより規模に劣り、
恐らくより高コストの低価格勝負を続けるのは、恐らく難しいのではないでしょうか。
「低価格」は、あくまで顧客満足の一要素に過ぎません。
安さだけを武器にせず、常により高い顧客体験を追求し続けることが必要なのです。
以上のことから、
QBハウスは値上げ後も、意外と客離れは少ないのではないかと私は考えています。
マイナスの差別化で美容室業界のシェアNO.1を目指す!
今回は、マイナスの差別化の中で【QBハウス】を取り上げましたが、
まだまだ狙えるジャンルは多くあるとも思っています。
しかし、もう既存の店舗がある場合は戦略を練らないと行けません。
過去の記事の美容室の独立開業するなら【キーワード】を軸に価値を売る方法
でも書いてありますが、
既存したサービスがある場合、さらに細分化をしないと戦略とは言いません。
0→1は難しいですが、1→2はまだ簡単です。
他の美容室に負けないような【マイナスの差別化】の戦略をたてていきましょう!!